屏風岩東壁 ディレッティシマ

2014年8月1日〜8月3日
坂地(記録)・柳川


 『・・・日置さんはやっぱり上手。簡単にハングを越えていく。僕も同じ要領でと思ったけれど、上に出たときは、『疲れた〜!』って感じ。ハングの上はきっとW級ぐらいだろうけど、人工に慣れきって腰が引けてしまっているため、ずいぶん難しく感じた。丸山東壁の緑ルートや屏風のディレッティシマに行きたいなどと言っていましたが、まだまだ練習不足を感じました。』(2005年7月)
 日置さんと小太郎岩のライオンの鼻から五段ハングに行った時に会報に乗せた感想です。あれから10年。ずっと行きたいと思っていた屏風のディレッティシマにやっと行くことができました。

 今年は、3月の初級岩登り教室が雨のために駒形岩でのあぶみ練習になって以来、雨が降れば駒形であぶみの練習をしたので、例年になくあぶみに自信があった。これならどこでもいけるなと思っていたら、6月末の雪彦での中級スタッフ研修のおり、柳川さんから海の日の三連休にどこか行きたいところがあれば一緒に行きませんかと誘われたので、屏風のディレッティシマに行きたいと思っていると答えた。
予定していた3連休は天候不順の予報だったので、出発を2週遅らせることにした。


8月1日
 7月31日22時、天王寺集合。運転手の交代1回で平湯アカンダナ駐車場まで飛ばす。車の中で仮眠をとって、4時50分発の上高地行のバスに乗る。上高地のバスターミナルで、トイレ・朝食を済ませて横尾に向けて出発。横尾谷が梓川に出会う付近は伏流になっているので、そこを越えることにしたが、雨の影響か伏流になっておらず、結局渡渉することになった。
 T4尾根の取り付きの50m下から雪渓が残っていた。雪渓の上を歩いていけるかと思ったが、無理そうなのでT4尾根側を30mほどへつって行ったが、壁が立ってきたうえシュルンドも深いので通過は無理と判断して取り付きに戻り、T4尾根を登って適当なところから懸垂で降りることにした。降りられそうなところを探しながら登っているとT4の手前まで来てしまったので、T4に上がってしまうことにする。横断バンドを見に行くが草ぼうぼうで人の通った気配がない。雨が降ってきたのでツェルトを張って、雨がやむまで雨宿りする。雲稜を登って大テラスからバンドを伝い、二段テラスから登ろうかなどと弱気になるが、雨が止んだら柳川さんが横断バンドを降りて偵察に行った。ディレッティシマ上部の取り付きがあったというので僕も見に行った。柳川さんの見つけた場所の10mほど先に見事なほど等間隔に打たれたリングボルトの列があったので、明日はそこから登ろうということになった。


8月2日
 フィックスしてあったロープを伝って、取り付きまでトラバースする。リングボルトが1mおきに並んでいるように見えたが、実際には最上段に登らないと届かなかった。ルートは大スラブを直上している。このまま登れば二段テラスや扇状のハングに行きそうにないので、最初に柳川さんの見つけた方が正しいルートだと判断し、懸垂で降りて登り直すことにした。










 扇状ハング、青白ハングの大ハングが柳川さんのピッチになり、ハイライトを柳川さんに持っていかれましたが、2ピッチ目の遠くてカムをかますところや青白ハングの前傾壁部分、登攀終了点に一番乗り・・・など僕も楽しく登らせてもらいました。
 終了点の大木からは、鵬翔ルートを懸垂し、大テラス経由でT4に戻りました。1ルンゼ押し出しで、水場に寄り道したので、横尾に着いたら真っ暗。小屋でカップヌードルとビールを買って残っている食料や酒でグダグダしてからテン場にツェルトを張って休みました。

8月3日
 のんびり上高地まで歩き、バスで平湯に戻って風呂に入り、高山に行く途中で蕎麦を食べて帰りました。

 10年来の夢をかなえてくださって、柳川さんありがとうございました。


(追伸)
 柳川さんは2か月後、中級登山学校の修了山行で生徒を連れてディレッティシマを登りました。僕は生徒を連れて雲稜を登り、大テラスで2パーティ合同のささやかな宴会を開きました。



(坂地)